横地賢興先生(聖マリア病院)が筆頭著者の論文「prediction of acute encephalopathy wiht biphasic seizure and late reduced diffusion in patients with febrile status epilepticus」が、Brain and Development(IF=1.88)にアクセプトされました。
日本の小児の急性脳症において最も多い病型は遅発性拡散低下をともなう急性脳症(AESD:Acute encephalopathy with biphasic seizures and late reduced diffusion)です。しかし病初期には予後の良い熱性けいれん重積との鑑別ができず、診断、治療は後手に回ってしまいます。そして、多くの症例が神経学的後遺症を残します。今回、熱性けいれん重積症例のうちAESDに移行する例を早期に鑑別できないかを調査しました。
聖マリア病院小児科、にて熱性けいれん重積で入院した患者213例を後方視的に検討したところ、19例がAESDでした。AESDと非AESD群の病初期(けいれん重積の直後)の採血データ、臨床経過を比較し、有意差の出た項目を基にスコアリングモデルを作成したところ、カットオフ値が4点で感度91%、特異度93%の結果が得られました。スコアと神経学的予後も正の相関があり、スコア高値の症例は注意深い経過観察、もしくは早期介入が必要と考えられました。