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2016-03-25
弓削康太郎助教が筆頭著者の論文「Pathological crying and emotional vasovagal syncope as symptoms of a dorsally exophytic medullary tumor」が、Brain and Development(IF=1.880)にアクセプトされました。
急な情動の変化とそれに伴う迷走神経性失神を繰り返した延髄腫瘍(pilocytic astrocytoma)の3歳、男児を経験したので報告しました。
脳幹部腫瘍の症状は主に脳神経障害、錐体路徴候、失調ですが、本症例ではそれらの症状はなく、泣いたり怒ったりしやすく、好きだったアニメのキャラクターを怖がるようになったりなどの情緒行動の変化、また啼泣した後の意識消失、強直性けいれんを繰り返し認めました。化学療法で腫瘍サイズが小さくなると、それらの症状も改善しました。病態として情緒の発現に関与する下小脳脚への延髄背側腫瘍による圧迫で情動の変化を呈し、またその変化に迷走神経が過敏に反応し失神を引き起こしたのではないかと過去の文献も引用して考察しました。